選挙制度を考える~定数を変えずに課題解決~
突然、日本維新の会のせいで話題に上がった比例代表の定数削減。自民・維新以外の政党はほぼすべて反対、自民党内からも反対意見があがっている。
しかしながら、定数を削減しないまでも、現行の選挙制度は課題を抱えている。「1票の格差」問題のため、数年前に区割り変更を行ったが、過疎と過密、人口の不均衡の為、アダムス方式の採用など無理くり何とかやり切った感が否めない。数年後に必ず発生する、次の区割り変更は困難だと思われる。にもかかわらず、定数削減という全体像を見ない議論をやっている訳だ。ということで、全体の定数を増減させずに、課題を解決してみたい。
現行の課題
持続可能ではない選挙制度
・過疎過密に対応して選挙区数を変更すると、大都市圏では自治体を切り刻んで入り組んだ選挙区が生まれ、人口の少ない県では選挙区消滅(合区)の危機に瀕する
→選挙区割が困難に
・定数の少なすぎる比例ブロック(四国ブロック)が存在し少数意見を反映できない
解決策
★選挙制度を大幅に変えずに適応する
・小選挙区のみで「1票の格差」の是正を目指さず、小選挙区と比例代表の議席の合計数で、「1票の格差」を是正する
・大都市圏では1995年レベルに小選挙区を減らし、差分を大都市圏の比例代表に回す
・小選挙区数は修正サン=ラグ方式で計算し、人口の少ない都道府県に配慮する。小選挙区数の全体が増えるため、比例代表の議席が減少する
・大都市圏を除いて、東日本・西日本の2ブロックとする。上記理由で比例代表の定数が削減されるが、比例代表ブロックの定数を大きくすることで弊害を減らし少数意見の反映に配慮する
<総議席数>
・以下のように、全国をブロックに分け、ドント式で、各ブロックの総議席数を割り振る
東日本1(北海道・東北・北関東・甲信越・東海)・東日本2(東京以外の南関東)・東日本3(東京)・西日本1(北陸・近畿(西日本2除く)・中国・四国・九州)・西日本2(大阪・兵庫)
<小選挙区数>
・一番人口の少ない県が、2選挙区以上になるように、修正サン=ラグ式で、全都道府県の小選挙区数を割り出す。
(総議席数算出のブロックは関係なく計算する)
・東日本・東日本3・西日本2は、1995年当時の小選挙区数とする。
<比例代表議席数>
・各ブロックで、総議席数から小選挙区数をひいた数を、比例代表議席とする。
| エリア | 都道府県 | 総議席数 | 小選挙区 | 比例代表 | ||
| 東日本1 | 北海道・東北・北関東・甲信越・東海 | 135 | 95 | 40 | ||
| 北海道 | 15 | |||||
| 青森県 | 3 | |||||
| 岩手県 | 3 | |||||
| 宮城県 | 6 | |||||
| 秋田県 | 3 | |||||
| 山形県 | 3 | |||||
| 福島県 | 5 | |||||
| 茨城県 | 8 | |||||
| 栃木県 | 5 | |||||
| 群馬県 | 5 | |||||
| 新潟県 | 6 | |||||
| 山梨県 | 2 | |||||
| 長野県 | 6 | |||||
| 岐阜県 | 5 | |||||
| 静岡県 | 10 | |||||
| 愛知県 | 20 | |||||
| 三重県 | 5 | |||||
| 東日本2 | 埼玉・千葉・神奈川 | 89 | 43 | 46 | ||
| 埼玉県 | 14 | |||||
| 千葉県 | 12 | |||||
| 神奈川県 | 17 | |||||
| 東日本3 | 東京 | 54 | 25 | 29 | ||
| 東京都 | 25 | |||||
| 西日本1 | 北陸・近畿(西日本2除く)・中国・四国・九州 | 132 | 96 | 36 | ||
| 富山県 | 3 | |||||
| 石川県 | 3 | |||||
| 福井県 | 2 | |||||
| 滋賀県 | 4 | |||||
| 京都府 | 7 | |||||
| 奈良県 | 4 | |||||
| 和歌山県 | 3 | |||||
| 鳥取県 | 2 | |||||
| 島根県 | 2 | |||||
| 岡山県 | 5 | |||||
| 広島県 | 7 | |||||
| 山口県 | 4 | |||||
| 徳島県 | 2 | |||||
| 香川県 | 3 | |||||
| 愛媛県 | 4 | |||||
| 高知県 | 2 | |||||
| 福岡県 | 14 | |||||
| 佐賀県 | 2 | |||||
| 長崎県 | 4 | |||||
| 熊本県 | 5 | |||||
| 大分県 | 3 | |||||
| 宮崎県 | 3 | |||||
| 鹿児島県 | 4 | |||||
| 沖縄県 | 4 | |||||
| 西日本2 | 大阪・兵庫 | 52 | 31 | 21 | ||
| 大阪府 | 19 | |||||
| 兵庫県 | 12 | |||||
残った課題
・大都市圏の中では、十分に議席のある比例ブロックをつくれないため、愛知・福岡の小選挙区を作れず。
(愛知を東日本3、福岡を西日本2に参入する方法もあるが地理的なつながりはない)
・小選挙区議席:比例代表議席の比率が、地域で不均衡。本当に「1票の格差」は是正されたか?
緑地保全について小金井市議会・審議より
2019年第2回定例会 2019/6/5 一般質問(坂井えつ子)
坂井えつ子(緑・つながる小金井/緑の党グリーンズジャパン)
「生物多様性とは、生き物だけの話ではない。生物多様性地域戦略を市民参加で策定しようです。これまでも質疑で出ているんですけれども、改めまして生物多様性とは何でしょうか。」
環境部長
「それでは、生物多様性とは何でしょうかというシンプルな質問だったのかなとは思います。我々としては地球上の生き物、当然人間も含まれるとは思いますけれども、長い歴史の中で様々な環境に適応し進化し、多様な生き物となって存在して、これら一つ一つは個性がありまして、全てが直接的であり間接的であり、ともに支えあって生きているという考え方でございます。私たち人間は水や空気を始め、衣食住など生物多様性から様々な恵みを受けて日々を生活しています。一方で、私たちの生活は生物多様性に様々な影響を与えていることから、この豊かな生物多様性を計画的に保存するということで、その恵みを将来にわたり享受できる社会を実現させていこうという考えに基づいて、国で施策の方をまとめ、生物多様性国家戦略を定め、また基本法を作り、やってきているところでございまして、自治体にはそれに対しての努力義務というのを求められているところでございます。」
坂井えつ子
「地球上の生き物、人間を含むということで、おっしゃるとおりだと思っておりまして、生物多様性という言葉からは、生き物や緑といった自然環境に直接関わることと思われがちですが、そうではないということです。生き物や緑と人間は切り離して考えることができない関係にあります。2014年環境省作成の生物多様性地域戦略策定の手引きや、2017年環境省発行の生物多様性地域戦略のレビューにもあるんですが、自然、資源、生き物以外に住環境の快適性、グリーンインフラによる住環境の向上や防災、減災、市民参加型による調査や計画策定、一次産業への就労、一次産業のブランド化、地産地消、食文化、二次産業への活用、三次産業への活用、観光資源、観光ガイド育成、教育やレクリエーション、健康など、幅広い分野に関わることがこの生物多様性なんですね。縦割りになりがちな分野を生物多様性地域戦略によって横断的につなぐことができる、地域の課題解決の方策を示すものになるので、小金井市特性に合わせた戦略策定に私はとても大きな期待を寄せていて、ちょっと珍しくわくわくすることなんですね。いかがですか。私だけですか。この生物多様性地域戦略の策定については、以前も田頭議員が質問されておりまして、小金井市では職員が積極的に研修に参加したり、他自治体の事例も収集し、研究、検討に役立てているということが分かっていますが、現時点での進捗状況をお聞かせください。」
環境部長
「小金井市の生物多様性を保存するためには、自然環境の保全等に取り組むことも必要であると考えております。また同時に、近年話題になっています、例えば外来動植物に対する対応なども重要ではないかなと考えているところでございます。市では現在、生物多様性の取組について、第2次環境基本計画の中の重点的取組に位置付けて取り組むとともに、緑の基本計画における緑のネットワークの形成を基本とした公園等整備基本方針を策定し、生物多様性の保全も意識した公園づくりについても検討を始めたところでございます。また、外来動植物の対応につきましても、全てがなかなか行政で行うというのは非常に難しいなという側面もあるのかなとは思っておりますので、まずは正しい知識を市民に周知することが重要と考え、分かりやすい周知の方法等については市内の環境団体等とも知恵をお借りするなどして進めさせていただきたいと考えているところでございます。」
坂井えつ子
「基本的には環境基本計画の中に入れてということなんですけれども、もったいないなと。環境基本計画策定となると、やはり主には環境に知識や興味、関心のある方が集まっていくことになりますが、申し上げたとおり、これは地域作りに関わることなので、本来は単独で作っていただきたいなと思っています。生物多様性に無関係な人やものはないので、様々な立場の人と計画を作っていくことができる、各現場にいる市民や広く市民のニーズを調査して、全庁的に横断的に取り組んでいくことができるものだと、私は思っているんです。ちなみに、2017年環境省発行の生物多様性地域戦略のレビューでは、既に策定されている地域戦略、各自治体のものも調査しています。そこでは、生態系サービスの利用に踏み込んだ地域戦略は相対的に少ないということが示されています。先ほど申し上げた住環境の快適性とか、地産地消、グリーンインフラ、教育や健康といった分野です。この多様な人、全ての人に関わる生物多様性ということ、小金井市で作るということですので、やはり小金井市の魅力は現場にいる市民がよく知っています。市民参加で作っていただきたいと思っておりまして、例えば、本日2問目で質問したはけや野川もそうですね。近隣の方がムジナ坂の清掃ボランティアをやっていたりとか、地域の方の憩いの場になっていたりしているわけですね。それが交流につながっていたりとか、観光にもなっているということで、このはけや野川を保全することも、私的にはこの生物多様性地域戦略という視点でも取り組むことができるものだと考えています。小金井市の資源をいかして、小金井市の魅力を再発見できる、とても期待がある、私は期待を寄せている生物多様性地域戦略を市民とともに策定していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。小金井市の魅力をいかした生物多様性地域戦略の策定を望みますが、いかがでしょう。」
環境部長
「実は先日開催いたしました滄浪泉園の40周年記念イベントというものがございまして、そちらに400人を超えるほどの方々が当日ご来園いただいたところでございます。当日は、スタンプラリーといって、いろいろな講座をやりながらスタンプを押していただいて参加いただいた方々に、カブトムシの幼虫を配布させていただいて、子どもたちも非常に喜んでいただきました。実はこのカブトムシの幼虫が市内の滄浪泉園ですとか、それから浴恩館公園、または市内の農家などへ行って、職員の方が採取してきたものを、当日お子様たちにお配りさせていただいたところでございます。都心に近いこの小金井市で今なおカブトムシの幼虫が市域のあちこちでとれるのは、小金井市内に広葉樹が多く育まれていて、ここから落ちた枯れ葉を利用して腐葉土を作る農家が多くいらっしゃることが、虫たちが自由に行き来できる環境がまだ残っているということを示しているのかなと我々は考えております。
環境政策課といたしましては、今後も様々な機会を通じて、生物多様性を育む豊かな自然環境があることのすばらしさを普及、啓発し、適切に保存していきたいと考えておりますし、生物多様性の恩恵を小金井市の豊かな自然環境が保存し、またこれを活用し、将来世代へ引き継いでいくことは私たちの責任であると認識しております。
現在、小金井市の生物多様性地域戦略につきましては、環境省の生物多様性地域戦略策定の手引きにおいて、地域戦略を環境基本計画の一部とするなど、地域の状況に合わせて他の分野の計画と一体として作成することも可能とされていることから、令和3年4月に改定を迎える第3次小金井市環境基本計画の中では第2次計画の内容を更に充実させる形で整備する予定でおります。環境基本計画は市民参加により策定いたしますので、本日、坂井議員の方からもご紹介いただいた視点ですとか、市民の皆様の様々な声を環境基本計画の生物多様性に係る部分にも反映できるよう研究してまいりたいと考えているところでございます。」
坂井えつ子
「滄浪泉園の40周年イベントの話はちょっと職員の方からもお聞きしていて、カブトムシの幼虫を採取に、大人も実はちょっと楽しかったというか、そんな体験、今なかなかないですからね。というような話もあって、カブトムシの幼虫が暮らせるような環境があり、それを通じて大人も元気になり、子どもたちの教育にもなりというような一つの形かなと思っていますので、具体的にされている取組とかお考えというのは方向性とても良いことだなと思っています。環境基本計画の中でできるということも存じ上げているんですが、ちょっとやはりもったいないなという思いはあります。しかしながら、今回はその方向で行くということで、内容を充実していただきたいなと思っています。市民参加もされるということですが、ぱっと環境基本計画を策定しますというと、やはり環境に関心がある人しか集まりづらいと思うんです。しかしながら、これは今まで申し上げたとおり、生物多様性に関係ない人はいないと思いますので、様々な分野の方、農業者の方とか地域活動をしている人とか、食育されている方とか、いろいろな方の意見が反映できるような市民参加の在り方というものを研究して実施していただきたいということを要望して、質問を終わります。」
2020年第3回定例会 2020/9/8 一般質問(坂井えつ子)
坂井えつ子(緑・つながる小金井/緑の党グリーンズジャパン)
「防災目的を超えての樹木伐採にNO!玉川上水沿いでは、すべての樹木のいのちを尊重しようです。
本人提出資料の1ページ目に、伐採されてしまった樹木の写真を載せています。私、何でもかんでも刈るなと言っているわけではございませんで、防災目的での維持管理は必要だと考えています。台風被害がありまして、倒木などもあって、そういった被害も過去にございましたので、防災目的の維持管理というのは必要だというような立場に立っています。
しかしながら、小金井市では違いますよね。それプラスアルファ、桜を植えるために他の樹木を伐採するという行為をしていて、これは生物多様性にも反すると考えています。
私はこの写真がある際、桜町一丁目に20年近く住んでいるけれども、玉川上水に近いところに住んでいます。20年ぐらいずっと住んでいるんですが、その樹木の並木に癒やされながら暮らしてきました。
が、しかし、この度の伐採がとても衝撃的だったので、カラー写真で1枚目に写真を載せたところなんですけれども、今回、陣屋橋から小金井橋の間で行われた桜以外の樹木の伐採はやり過ぎです。これ以上桜を植えるために、他の樹木を伐採すべきではないと考えます。
冒頭申し上げましたが、台風による倒木被害も起きているので、防災の目的、玉川上水の維持管理をしていくことが必要ですけれども、小金井市は他の自治体とは事情が違い、名勝小金井(サクラ)復活プロジェクトがありますよね。玉川上水・小金井桜整備活用実施計画にはこのようなことが書いてありました。昭和30年、つまり1955年まではヤマザクラ並木が保たれていたけれども、昭和40年、1965年、浄水場の廃止に伴って、徐々に小平監視所下流の流域が止まり、玉川上水の機能が停止したことから、景観の変貌をもたらしたとあります。1955年というので、60年ほど前の景観に小金井市は戻していこうという計画ということです。私も、現状、樹木が何もないところに桜を植えていきましょうということだったら、別に、こんなに大きく反対していないんです。声を上げていないんですけれども、今そこにある樹木を伐採してまで植えるということが、なかなか理解ができないんです。この伐採されてしまったケヤキだって、けなげに生きてきたわけですからね。
質問なんですが、陣屋橋から小金井橋の間で行われた桜以外の樹木の伐採はやり過ぎです。生物多様性にも反すると思うんですけれども、見解をお聞かせいただけますでしょうか。」
生涯学習部長
「陣屋橋から小金井橋までの間の樹木伐採についてです。
本区間につきましては、その他の樹木が放置された影響で、史跡玉川上水の損壊が深刻化しておりまして、また、高木の被圧によって名勝を構成する桜の成育不良を引き起こし、桜の枯渇が増加しておりました。
令和元年度におきまして、東京都及び本市が策定しております。史跡名勝の整備活用計画に基づきまして、文化財を保護する目的で陣屋橋から小金井橋までの区間を整備したところです。樹木伐採の作業は東京都によって行われております。樹木の伐採方法につきましては、専門家のご意見に基づきまして、文化財の管理者である東京都と本市で協議を重ねていき、更には生物多様性を考慮しながら総合的に判断して決定されたものです。整備内容につきましては、文化財を保護するために適切な措置であったと考えているところです。」
坂井えつ子
「伐採する前に、地元の地域団体と、この木はどうするかという話合いの場を設けていただきましたことは感謝していますが、結果をあけてみて、実際の樹木を見てみると、やっぱりちょっとざんないなと感覚として思うわけですね。市の答弁としては、適切な措置であったとご答弁されたんですが、桜を植える立場におられるから、そういった評価になると思うんです。私はどちらかというと、断然というか、刈られてしまうケヤキ側に立っていますので、桜を植えるためにと、維持管理上に切っていますよね。そのために伐採されるケヤキ側の立場に立つと、ちょっと、どうしても納得がいかないと思っているところです。
評価が適切ということについては遺憾でありますが、そういった答弁であったということを、まずは受け止めます。
それで、次の質問に入るんですけども、これまでに、桜が整備された区間での事業の評価は行っているんでしょうか。名勝小金井(サクラ)のモデル区間整備は、2010年から2012年は新小金井橋から関野橋の間を行っています。その後、2014年から2016年は関野橋から梶野橋、そして、2017年から2019年は、新小金井橋から小金井橋の間を行っています。一番最初のモデル区間の整備からすると、およそ10年経つわけですよね。これは一定の評価すべきタイミングではないでしょうか。今回、小金井橋から陣屋橋区間にお住まいの方に、何人かお話を聞いたんです。桜については、考え方がいろいろございまして、桜並木の復活を望む方も当然いらっしゃるんです。そういう方ともお話をしたんですが、それについても、今回の伐採はやり過ぎという声を聞いています。
今後、小金井市では、小金井橋から西側も計画しておられますけれども、桜並木を復活するに当たっては、今、生きている樹木を伐採してから植えるという過程も知っていただくことも必要だと思うんですよね。
よって、小金井橋から茜屋橋区間、桜町二丁目とか貫井北町三丁目近隣の方も対象とした玉川上水沿線プラス今までアンケート調査を行うときは公民館とかでも配布していたと思いますので、沿線プラス、市内の公共施設などを拠点として、アンケート調査を行うべきだと考えていますが、いかがでしょうか。」
生涯学習部長
「アンケートの調査につきましては、この間も5回、こちらは平成23年から28年になります、実施していたしました。
玉川上水の沿線にお住まいの方々とともに、市民団体の方からも回答いただいております。
アンケート調査の結果からは、史跡玉川上水及び名勝小金井(サクラ)の保護の必要性をご理解いただいているところです。
また、毎回の調査では、本整備事業の内容について、全体の7割から8割の方から肯定的な意見が寄せられております。本市及び東京都では、アンケート調査の結果内容や様々なご意見を重く受け止め、今日まで取り組んできたところです。
本整備事業を開始してから10年が経過しましたが、本整備計画が目的の1つである名勝小金井(サクラ)の再生復活の観点から申し上げますと、アンケート調査の実施は必要と認識しておりますが、調査の実施時期はもう少し先にも設定しております。その理由としては、3点ございます。1点目は、植樹したばかりの桜はまだ若く、いまだ名勝の復活と言える状況ではないということ。2点目は、玉川上水の現風景に近付けるためには、多様性に富んだ草地の再生が欠かせないこと。3点目は、5回行ったアンケート調査の結果を何よりも尊重していることです。
100年以上前の玉川上水の堤には、桜並木とともに、在来の野草で構成された風景が広がっていたことを鑑みますと、本来の姿に復するまでには時間を要します。また、専門家からも、文化財の整備事業の効果が現れるのは一定の時間的経過が必要であると指摘を受けております。
市民の方の声を聞くことは大切なことであり、必要に応じて実施するものでありますが、まずは一定程度の事業成果が見えてから行うものと考えておりまして、具体的には、名勝小金井(サクラ)の小金井市域の区間における補植作業が終わってから一定の期間が経過してからと考え、小金井市の全区域の補植が終了してからおおよそ10年が経過してからの実施が望ましいと考えているところです。」
坂井えつ子
「全部の補植が終わってから、それからおよそ10年後ということで、大分先になりますね。こういった過程、こういった過程というのは伐採ですけれども、伐採という過程も踏まえながらやっているということの評価がどこにも現れないのかなと思います。一番最後にアンケート行ったのは、平成28年とおっしゃったので2016年なんですが、これが最後ですよね。このアンケートについては、市議会でも、アンケート項目とか、まとめ方がちょっと恣意的ではないかというような意見も出ていたので、それを尊重すると言われると若干、複雑な思いがありますので、アンケート調査を行うに当たっては、また、アンケート項目の見直しもやっていただきたいと思います。そのときが来て、機会があれば、そのことを申し上げていきたいと思います。これについては、まず、分かりました。
それで、この評価という意味では、東京都が桜の健康調査を行っていましたよね。これは、玉川上水沿いの樹木にも健康調査を行いますというようなご案内が張られていたんですけれども、東京都が今年の2月から3月にかけて行った桜の健康調査、この結果は把握されているんでしょうか。それを踏まえた東京都の対応は十分なのか、お聞かせいただければと思います。」
生涯学習部長
「東京都が調査を行ったことは把握しております。名勝を構成する全ての桜を対象に、樹木医によって木の健康状態が調べられました。調査内容につきましては、東京都建設局の街路樹診断マニュアルに沿って5段階で評定されております。健康状態が良好なものがA判定で、最も悪いEは枯渇判定となります。
文化財保護法では、生きている桜は現状保存が大前提となります。そのため、健康状態が芳しくない桜に関しましては、伐採せずに現状を維持する保護措置を講ずることとなります。東京都の対応につきましては、枯れている部分の枝落としであったり、成長の妨げになる支柱の撤去や肥料の散布などを実施する考えであるとのことです。Eの枯死判定になった桜は順次伐採していくこととしております。
本市といたしましても、引き続き現地の見守りを行い、適宜、東京都と情報共有を行いながら、桜並木の保護の体制強化を図ってまいりたいと考えています。」
坂井えつ子
「今、ご答弁があった東京都の桜の健康調査の結果というのを、東京都の教育庁に行ってちょっと出していただいたのが、本人提出資料の2枚目なんですけれども、東京都が出していただいた資料は、下の図ですね、玉川上水沿いに、桜がここにあって、桜の健康状態によって、Aが良好、Bが概ね良好、Cが明らかに異常、Dが劣悪、Eが枯死というような感じで、一目で分かるようになっています。これを数に数えてみたのが、私の上の資料です。橋を基準に、西は茜屋橋から東は梶野橋まで、このAからEまで桜がどのような状況にあるのかというのを、この東京都が出してくださった資料を基に数えてみたのが上の図です。北側と南側で数を出してみたんですけれども、どちらかというと、南側の桜の状態の方が悪いということが見えてきました。良好の桜は、例えば北側ですと115本、35.6%あるんですが、南側の良好は23本、割合で9%、おおむね良好の割合は、北側だと31.9%、南側49.4%、ここはあまり変わりないですね。結構数字が分かるなと思うのが劣悪で、北側だと劣悪が11本、3.4%、南側の劣悪が12本で4.7%。枯死してしまったものは、北側は1本なんですが、南側は7本枯死しているということが分かっていて、これは私、素人なので、詳しい要因は分析できないんですけども、この東京都が出した資料を見ると、北側よりも南側の桜の状態がよろしくないんだということが見て取れます。日照とか関係しているんでしょうか、これを見ると、少なくとも南側には、ちょっともう植えるべきではないと思うんです。植えられた桜もかわいそうですよね。少なくとも南側には植えるべきではないと考えています。
次の質問に入っていくんですけども、この名勝小金井(サクラ)のリーフレットを見ていますと、小金井橋から西側は、平成で言うところの32年度以降、つまりは2020年度以降に整備していく予定、整備予定と書いてあるんですが、今後の予定はどのようになっているんでしょうか。」
生涯学習部長
「平成32年度、つまり令和2年度以降の整備としましては、小金井橋から西側の区間を整備する予定地として検討していることは確かでございます。小金井市域の中でも、小金井橋より西側は、史跡玉川上水並びに名勝小金井(サクラ)の保護の観点から、現状を鑑みると整備が至急必要であるからです。名勝としての景観が既に危ぶまれている中で、早急に環境改善の手を打たないと枯死につながり、より深刻な状況に陥ってしまいます。
今後の予定は、東京都との協議が前提となりますが、小金井橋西側の区間とともに整備が一定完了している区間等を勘案しながら、文化財の現状に適した整備内容を検討し、玉川上水・小金井桜整備活用推進委員会において審議した上で、方針を決めていきたいと考えております。」
坂井えつ子
「それで、今までの区間と違うところで言うと、その小金井橋、小金井街道から西側というのは、南側は小金井市なんですけれども、玉川上水の北側は小平市になりますよね。これ、小平市の意向というのは確認しているんでしょうか。」
生涯学習部長
「史跡玉川上水及び名勝小金井桜(サクラ)は管理者である東京都をはじめ、沿線自治体の4市が関わっております。これまでは、沿線自治体の中では小金井市が先行して、平成22年度から整備を推進してまいりました。その後は、武蔵野市も事業に参加し、足並みを揃えてきた経過がございます。
玉川上水の流域では、小金井橋より西側の一部は、南側が小金井市、北側が小平市域となっております。2市に関わる区間のため、管理者である東京都の音頭の下、平成30年度から本格的に、東京都と小平市、本市の3者による協議を進めてまいりました。当然ながら、協議の場におきましては、管理者の方針や地元市のそれぞれの考え方がございますが、文化財を保護するという方向性は一致しているところです。3者間では、小平市の意向及び本市の意向を確認し合いながら、整備について検討をしているところです。」
坂井えつ子
「意向を伺いながら、小金井市の意向も確認し合いながら、整備について検討ということでした。これは、事実としての共有という意味で、本人提出資料に出したんですが、今年の6月26日に、小平市長が東京都の知事に宛てた文書を提出していました。これは、タイトルが国名勝「小金井(サクラ)」補植事業について。短いので読み上げますけれども、都知事におかれましては、日頃から小平市へ格別のご配慮をいただき感謝申し上げます。さて、現在玉川上水沿いで進められておられます、国名勝「小金井(サクラ)」補植事業の実施手法について、生物多様性の観点などから小平市民及び自然保護団体等より多数の意見が市へ寄せられております。つきましては、小平市域での補植事業の実施に際しては、下記のとおりご高配賜りますようお願い申し上げます。記1、サクラの補植作業は、生物多様性を持った適切な生態系が維持されるよう配慮してください。2、サクラの補植事業を実施するにあたっては、その時期、方法などについて、地域の住民や自然保護団体と事前に意見を聞く場を設けるなど、丁寧な対応に努めてくださいということでした。これは事実として共有しておきます。
ということで、小金井市の意向はどうなんですか。小平市の意向は他の自治体のお話ですので、協議をしていくことにはなると思うんですが、小金井市の意向はどうなっているんでしょうか。南側だけ推進するというようなことはしないと明言していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。」
生涯学習部長
「市といたしましては、東京都及び小平市との協議を続けながら、文化財を守る手だてを検討していくこととなります。その中で、南側の小金井市域の部分について、現状、文化財の実態は非常に深刻なものであることは事実としてございます。既存の桜の枯死が進み、また、玉川上水の崩壊が加速するなど、予断を許さない状況と判断された場合には、手を施さなければならない、そのように考えております。
また、近年の自然災害による被害も見過ごせません。倒木など、市民の命、財産を守るために、防災の観点でも整備を進めていく目的があると考えます。一方で、文化財としての事業効果として、南側だけを進めていくことは果たして有効なのかを、慎重に判断しなければならないと考えています。
史跡玉川上水・名勝小金井(サクラ)も、国に指定された文化財であり、本市としても、重要な文化財ということで、後世に残していかなければならないものと考えます。今後の事業の進め方につきましては、先ほども答弁申し上げたとおり、玉川上水・小金井桜整備活用推進委員会において審議をいただきながら決めていきたいと考えております。」
坂井えつ子
「防災目的での維持管理はしっかりやっていただきたいですが、桜を植えるための伐採というのはやらないでいただきたいと思います。
南側だけやるようなことについてというのも、慎重に判断しなければいけないというようなご答弁だったのかなと。景観的に、玉川上水の片側だけ桜並木で、片側は多様な樹木があるというのも、あまりよろしくないんじゃないかと思うので、慎重に判断という答弁が限界なんでしょうか。」
2019年第4回定例会 2019/11/11 一般質問(片山かおる)
片山かおる(市民といっしょにカエル会/無所属)
「市民農園、体験農園を増やす施策や方針についてお伺いしたいと思います。これは、先ほど篠原議員がいろいろ、宅地を利用してというようなことではあったんですが、そういった考え方も非常に重要かなと思いますが、私の方では、都市農地の貸借の円滑化に関する法律の施行に伴って、市内の農家への周知、法の活用などについてどのような取組が行われているのかをお伺いしたいと思います。
小金井市農業振興計画に記載されているアンケート結果では、農地の保全の必要性の設問では、必要という回答は回答者の7割となっているかと思います。この計画自体は、2011年に策定したもので、その後どのような形で見直しをしていくのかということについても、少しだけ確認できればと思います。」
市民部長
「市民農園、体験農園をもっと増やせないかという観点でのご質問でございます。
市民農園の区画数の現状でございますが、市が開設している市民農園は、平成26年度末の5か所、311区画を最大に、平成27年度以降、4園の閉園、また逆に、3園の開園を経まして、現在では4か所、164区画、高齢者農園が2か所、95区画となっているところでございます。その他には、農業者が開設する体験型市民農園が2か所、90区画、民間が開設している市民農園が2か所、約130区画となっております。
増設に向けた、農業振興計画における考え方等についてでございますけれども、ご紹介がありましたとおり、平成23年3月に策定いたしました小金井市農業振興計画におきまして、市民農園や体験型市民農園の設置数として、16か所の目標を掲げておりますが、現時点では、目標に達していない状況となってございます。引き続き、市として計画的な市民農園の設置を目指すとともに、都市農地の貸借の円滑化に関する法律が施行され、農業者が安心して農地を貸せるようになったことを踏まえまして、民間活力などを取り入れた市民農園の設置についても推進していきたいと考えているところでございます。」
片山かおる
「この法の周知について、どのように農家の方にお知らせしているのかを、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
西東京市などでは、こういった大きいパンフレットというか、そういったものがホームページに載っていたりするなと思っているんですけれども、あまり小金井市のホームページなどで見れるところがなかったかなと思いますので、どのような形でお知らせしているかだけお伺いしておきたいと思います。」
農業委員会事務局長
「法律の、農家への周知ということでございますが、毎年、1月に市内の農家、10支部あるんですけれども、座談会というのを開催しておりまして、そういったところを通じて、法改正、新たな制度等の周知を行っているというのが現状でございます。」
片山かおる
「そういった周知の中で、どのような反応があるかお伺いしたいと思います。」
農業委員会事務局長
「ご質問の、都市農地の貸借の円滑化に関する法律の関係につきましては、先ほど、篠原議員のご質問の内容にもありましたし、先ほど、部長の答弁にもありましたように、民間の市民農園、2園とある中の1園が、この都市農地の貸借の円滑化に関する法律の施行以降開園した農園ということになってございます。
また、現在調整中の案件なんかも、相談が来ているものもいくつかありますので、何か法律が変わったから急にその数が増えてくるということはなかなか難しいかもしれませんけれども、徐々に浸透してきているかなというのが印象でございます。」
片山かおる
「分かりました。現在の状況について、民間の農園が中心になりながら広がっていくのかもしれないなというところでしょうか。
農地をどう活用していくかということについては、かなりこれから真剣に取り組んでいった方がいいのかなと私は考えております。三つ目の質問として、市民農園や体験農園の使用料減免と、子ども食堂などへの収穫物の寄附を連動しないかというような提案なんですが、これは、先ほどの韓国の事例などにものっとってということなんですが、やはり、これらの農園の中でたくさんできた収穫物をどう扱っていくのかということについても、今、家族で、世帯単位という形での申込みかもしれませんけれども、やはり、社会化をどのようにしていくかということについてを検討していくべきではないかと考えております。寄附先を指定して直接届けていただくとか、または社会福祉協議会などと連絡、連携して必要な方にお届けするなど、こういった、少しだけ工夫をすれば、今の制度の中でも何かしらできることはあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。」
市民部長
「市や農業者が開設する市民農園とか、体験型市民農園を、先ほどの中では、子ども食堂ですとかの取組に連動させていくというような方策が、現時点で工夫できないのかというお話でございます。
先ほどご報告があった韓国では、いわゆる有機農業みたいなものと連動させながら制度設計をしているというところの中では、小金井市における市民農園、あるいは体験型市民農園、こういったものにつきましては、制度設計上、そういった取組の中で考えてきたものではないところもございますので、現時点では、法令上及び制度設計上困難であると考えてございます。
ただ、議員のご提案を含めた、農福連携、更には農商公福連携という取組というものにつきましては、これは、都市農業の振興を図る上で重要なキーワードであると考えているところでございまして、今後、農業の担い手の確保の視点のみならず、地域コミュニティの造成ですとか独自産業化といった視点も含めまして、具体的な政策につきまして、他市の事例ですとか海外などの事例もあると今、お聞きしてございますので、そういったものについて研究してまいりたいと思います。」
2021年基本構想審査特別委員会 2021/8/3(森戸ようこ)
森戸ようこ(日本共産党小金井市議団/日本共産党)
「みどりの面積は、平成21年から令和元年までで40.53ヘクタール減っているわけですよね。樹木、草地、農地で。市長が就任された後期基本計画の中では、公共緑地としてみどりの保全に努めるという、公共緑地として位置付ける土地をつくるんだよと言われていたんだけど、そういうことも積極的に行われなかったのかなと思っております。その点からしても、「みどりの保全・創出につながる取組を進めるほか」と書いてあるんだけど、非常に私たちとしては実感が湧かない。何をやったのよと。こういったら、努力をされている担当者には失礼かもしれないけれども、実際には数値的には減っているわけですから、このことが未達成であるということも明確にしておく必要があるのではないかと思います。」
環境政策課長
「みどりの減少についてでございますが、先ほどもちょっと答弁さしあげたところですが、ほとんどは生産緑地の減少というところではございますが、一方で公共緑地の確保という部分も確かにございます。そういった部分に関しましては、実際は公共緑地については、小長久保公園の確保ですとか、三楽公園の確保ですとか、公共緑地については若干は増はしているものの、生産緑地の減少があまりにも大きいというところで、全体として減少というのは事実でございます。ただ、公共緑地だけではなくて、今後は民間の緑地も増やしていくという考え方の中で、生産緑地をなるたけ確保できるような仕組みですとか、開発に伴う中高層での緑地の増とか、そういった部分で今後は増やしていきたいという考えがございます。」
2021年第3回定例会 2021/9/7 一般質問(安田けいこ)
安田けいこ(小金井・生活者ネットワーク/小金井・生活者ネットワーク)
「緑の消失を防ぐ方策を、緑地保全のことについてお伺いいたします。高度成長期に急激に都市化が進んで現在に至るまで、農地や樹林などの緑が減少し続けています。小金井市でも、この10年間で小金井公園の約半分の面積に当たる40ヘクタールの緑が失われたとみどりの基本計画に記されています。環境問題が深刻化する中、緑には二酸化炭素の吸収に大きく寄与することに加え、ヒートアイランド現象の緩和、生物多様性の保全、農産物の生産、郷土の景観を形作る骨格としての役割、雨水の浸透機能等、多くの機能が見直されています。近年の研究によると、うつ、不安レベルや孤独感を減らすなど、メンタルヘルスだけでなく、糖尿病や心筋梗塞のリスクも軽減されることが分かってきています。これまで趣味的なものと捉えがちだった緑が、機能的であるという認識に今、変わるときではないでしょうか。
多面的な機能を持つ緑について、緑地保全の観点から質問します。まず、市内の緑に占める農地の面積は令和2年の集計で約64.9ヘクタール、そのうち生産緑地に指定されているのは58.1ヘクタールです。2022年に生産緑地の指定が切れることで、農地が減少することが見込まれています。これについて市の対策を教えてください。」
環境部長
「れでは、まず生産緑地の減少についてでございます。市内の生産緑地は、指定開始直後である平成5年の約86ヘクタールをピークに相続等により年々減少しており、令和2年度末で約58ヘクタールとなっております。この58ヘクタールのうち、約53ヘクタールが2022年から2024年の間に30年間の期日を迎え、買取り申出や農地以外への転用が可能となります。市内の全ての緑のおよそ20%を占める生産緑地を含む農地は、本市の緑の保全にとって極めて重要である一方で、あくまで農家の生産の場であり、個人資産であることから、農家の皆様にいかに生産緑地として維持し続けていただくかが鍵となると我々は考えております。このため、市では生産緑地指定の面積要件を緩和し、追加指定を推進したり、貸借制度等の周知に努めたり、特定生産緑地制度について早くから情報発信してまいりました。その結果、13件、約4,500平米の農地を新たに生産緑地に追加指定するとともに、解除対象生産緑地の約94%について、既に特定生産緑地への移行申請を受けているところでございます。」
安田けいこ
「様々な施策をやっていただいて減少を最小限に抑えているということだと思います。解除対象生産緑地の約94%について既に特定生産緑地への移行申請を受けているということなので、この数字がかなり高いということに本当に安堵いたしました。ありがとうございます。しかし、全体的に農地が減ることは避けられない状態となっています。身近な緑、都市農地は、農産物の生産だけでなく、住民にとって身近に自然を感じられ、日常に心の豊かさをもたらすという意味でも、とても大切なものだと思っています。
次に、緑地の減少という観点から、開発事業についてお伺いします。今日、資料を皆さんにお配りしましたが、国分寺崖線に係る生産緑地約1ヘクタール弱が大規模宅地開発される予定で、8月21日に住民説明会が開かれました。この土地利用の変化について行政はどのように関与しているのでしょうか。前原三丁目宅地開発計画に至る経緯を教えてください。」
環境部長
「まず初めに、生産緑地の売却とその後の開発につきましては、先ほどの答弁でも話をいたしましたが、農地というのは個人資産に関すると考えておりますので、売却にはそれぞれの事情もございますので、個別具体的な事項について我々としてはこの場での答弁は差し控えさせていただきます。したがいまして、一般的な生産緑地の行為制限解除の流れを申し上げます。生産緑地は、その所有者が亡くなられる等、農業に従事することができなくなる事由が発生した場合に限り、指定から30年を経過する前に買取申出を行うことができます。生産緑地は買取り第一優先権が行政にあることから、市に買取申出が提出されると、市は生産緑地を購入するか否かについて協議をします。また同時に東京都へも購入希望の照会をかけ、市も東京都も購入希望がなければ、次に農業委員会を通じて農家へ買取希望の照会をかけます。行政による検討はおおむね1か月、農家への照会期間、約2か月を経て、買取希望がなければ、生産緑地としての行為制限が解除されます。所有者は農地転用や第三者へ売却が可能となります。その後、売却された土地において、まちづくり条例に規定される指定開発事業が行われる場合は、規定に基づき宅地開発等審査会の審査を経て開発が行われるものでございます。以上のように一般的にはそういうような形になります。」
生涯学習部長
「それでは、文化財保護の観点からお答えいたします。ここでは一般的な手続きの内容です。文化財保護法では、私有地の埋蔵文化財包蔵地、こちら遺跡ですけれども、そちらの中で住居建設や開発等を行う際には、工事着工の60日前までに埋蔵文化財発掘の届出を地元自治体を通して東京都に提出しなければならないとされています。こちらは文化財保護法の第93条、第94条ということになります。遺跡内での住居建設や開発におきましては、遺跡の広がりによっては発掘調査の可能性があることを周知した上で、建設や開発行為の規模によって遺跡に影響が出る可能性がある場合には、試掘調査などによって事前に遺跡の有無等を確認することとなります。調査で遺跡がもし発見され、かつ工事内容が遺跡に影響する場合は、事業主と地元自治体とで協議をいたします。遺跡につきましては、現状保存が文化財全般の理念としてはございますが、それができない場合につきましては、その後、記録保存を目的とした発掘調査をしていただくことになります。」
安田けいこ
「まず土地の売却についてなんですけれども、個人のご事情であり、この場でどうこう言うべきではないと認識しています。しかし今回の開発ですが、国分寺崖線に係るまとまった緑地であり、遺跡にも指定されている地域です。なので公共性が非常に高いと思いまして、市民の関心も高いことから質問しています。私も8月22日の住民説明会に参加いたしました。近隣住民の方から様々な意見が出ておりましたが、その後、市役所に届いたものも含め、意見は合計何件、内容はどんなものでしょうか。また、事業者には住民の意見をどう伝えているのか教えてください。」
都市整備部長
「説明会のご質問についてでございます。先ほどの答弁の中にございましたけれども、特定の事業者及び特定の個人の資産に関わる開発事業についての言及は差し控えさせていただきたいと存じます。ご理解をいただきますようお願い申し上げ上げます。(略)」
安田けいこ
「土地利用計画図、皆様にもお配りしましたけれども、斜面を含め隙間なく住宅が並んで、緑化できるのはほぼ提供公園だけになるのではないかという気がいたします。国分寺崖線という地形や景観に配慮した緑豊かな開発になるように業者と協議することはできないのでしょうか。
住民の方から許可を頂いて、今日は小学生の意見、こちらは市の方に出したと言っている要望書を資料として付けさせていただきました。毎日通っていて緑がなくなるのはとても悲しいという率直な意見です。色々な意見があるかと思いますけれども、再度の説明会は難しいのでしょうか。それについてご見解をお願いいたします。」
環境部長
「話として出ましたけれども、指定開発事業に係る環境への配慮につきましても、一般的なご答弁はさせていただきます。小金井市環境配慮基準、環境配慮指針を定めて事業者に協力を求めております。事業者は法令遵守を基本とし、市の関係各課と事前協議を行い、様々な制約がある中で、提供公園等、新たな公共施設の設置についても最大限ご協力をいただいていると認識しております。」
都市整備部長
「再度の説明会の開催についてでございます。こちらにつきましても、特定の事業に関する言及は控えさせていただきますが、一般的に開発事業を行われる事業者には、まちづくり条例の趣旨に鑑み、市民に対し誠意を持ってご対応いただけるようお願いをしてまいってございます。」
安田けいこ
「有地の利用について、行政として法に定められていないことについてまで介入するということは大変難しいということは理解できます。しかし、国分寺崖線という立地でこれだけまとまった土地の利用について、開発業者が実質的にまちづくりを主導することには、民有地だからという説明だけでは腑に落ちない気持ちになってしまいます。なぜもやもやするのか。これは、市の様々な計画で緑を保全することや国分寺崖線の価値について言及されているのに、その大切なはずの緑地が次々と開発されることへの疑問からです。東京都が策定した緑確保の総合的な方針によると、崖線の緑は保全を推進すると位置付けられています。この中に、令和11年度までに確保が望ましい緑として、各自治体が抽出していますが、小金井市は1か所、平地林として三楽公園北側の0.07ヘクタールが指定されているのみで、国分寺崖線は含まれていません。一方、国分寺崖線保全条例を持つ世田谷区では、崖線の10か所を新たな保全緑地として抽出しています。なぜ小金井市では僅か1か所、0.07ヘクタールだけの計画なのでしょうか、教えてください。」
環境部長
「まず、世田谷区の方針の詳細は我々としては存じ上げませんが、緑確保の総合的な方針において各自治体が優先的に確保する緑地として指定する土地は、基本的に都市計画公園等に位置付けられた民地であり、所有者の意向を無視して指定することは難しいと考えております。本市が指定した700平米は以前より公共緑地に申請をいただいている民地で、所有者の意向により緑地として市に保存をお願いしたいと買取申出をいただいていた緑地です。当該緑地は、議員にご紹介もいただきましたが、三楽の森公共緑地、三楽公園と一体の緑地で、国分寺崖線につながる貴重な緑地であるため、緑確保の総合的な方針において優先的に確保する緑地に指定し、都市計画公園として位置付けた上で、国や都の補助金を獲得して計画的に今年度収得したものでございます。
なお、本市では、公園等整備基本方針及びみどりの基本計画において、緑地を含む公園等について、量の拡充から質の向上へ転換することを基本方針として定めており、国分寺崖線上に限らず、民間の緑地を積極的に購入し保全していくという考えは原則持っておりません。」
安田けいこ
「市として新たに緑地確保の計画を持っていない、量の拡充から質の向上へ転換するということです。今、気候変動の時代でもありますし、緑地の確保というのは市民の思いでもあるのではないでしょうか。国分寺崖線はみどりの基本計画に、国分寺崖線斜面及び周辺部の緑の保全を進めますと明記されていますが、その現状と計画はどうなっているのか、とても気がかりです。はけの保全とうたっていても、このままでは近い将来、一部を除き、崖線がただの住宅が並ぶ斜面になってしまうことを危惧します。都市計画マスタープランには、国分寺崖線の坂道は地域固有の魅力的な景観要素になるように、歩行者系道路として演出した整備を進めますとあります。先ほど質問した大規模開発では、昔は墓地があり、農民が念仏を唱えながら通行したことからつけられた念仏坂という風情ある坂道がありました。現在もあります。しかし、宅地開発により地域固有の景観要素のほとんどが既に失われ、大規模開発で更に景観要素はなくなることは必須です。念仏坂という名前だけが当時をしのばせる唯一の要素として残ることになるのは避けられない状態です。ここに限らず、恒久的に保全されるはずの都立公園の中の崖線にさえ都市計画道路予定地があり、全く安心できない状態だと思っています。緑が大事と口で言うだけでは何の意味もない。緑をいかしたまちづくりを期待している市民の声にはどう応えるんでしょうか。今後、人口減少が確実で空き家も増える中、これまでどおり利益追求の開発を許していては、緑豊かなまちは維持できないのではないでしょうか。これについてご見解をお伺いします。」
西岡真一郎市長
「安田けいこ議員の一般質問にご答弁いたします。国分寺崖線の保全や緑の在り方等についての見解を問われてございます。国分寺崖線の保全は小金井市にとっても大変重要な施策であり、これまでも努力してまいりました。現在、国分寺崖線上には、行政が所有または管理している緑地が約3ヘクタールほどありまして、これらの緑地には、小金井市が東京都に働き掛け、東京都に購入してもらった緑地も多くあります。担当からも答弁がございましたが、小金井市では公園等の質の向上を目指しており、滄浪泉園や三楽の森公共緑地等、また、はけの森美術館もございます。すばらしい緑地の更なる質の向上を、限られた予算の中で創意工夫を凝らし、精いっぱい努力はしております。民有地の緑が失われつつあること、また農地も含めまして、私自身も胸を痛めておりますが、個人の資産でもあります。また、相続税という国策という施策もあります。市といたしましては、個人に所有し続けていただけるような支援を行いつつ、まずは今ある公共の緑地を適切に守っていきたいと考えているところであります。
また、先ほどご答弁させていただきましたが、一方で農地法の改正等もありまして、都市農地の推進基本方針というものも定められてまいりました。小金井市では、既に生産緑地の面積要件の緩和、追加指定、貸借制度などの周知に努め、特定生産緑地制度について早くから情報発信してまいりました。その結果、約13件、約4,500平米の農地を新たに生産緑地に追加指定することができました。また、解除対象生産緑地の94%について既に特定生産緑地への移行申請を受けているところであります。現在、農業関係者の方々のご努力もいただきながら、期限内申請に向けまして今、最終的ないろいろな作業を行っていただいているところでありまして、国分寺崖線のみならず、小金井市としても農業関係者の方々と協力をしながら、農地の保全にもいろいろ尽くしてまいりたいと思っております。」
安田けいこ
「市長も民有地の緑が失われつつあることに胸を痛めておられるということです。私も本当に同じ思いで失われゆく緑を眺めております。小金井市緑地保全条例及び緑化推進条例施行規則第2条には、環境保全緑地の指定基準が掲載されています。環境緑地は現状のまま保全することが確約される土地、公共緑地は公共の用に供されることが確約される土地と定義され、いずれも500平方メートル以上の面的なつながりがあることと規定されています。注目するのは第2条の2です。前項の規定に関わらず、市長が特に必要と認めたものについては、前号各号に定める規定基準によらず保全緑地として指定することができると記されています。私はこの文を見て、こんなものがあるんだと本当に驚きました。市長には大きな権限があるということが分かりました。市長が必要だと認めれば保全緑地に指定できるということです。胸を痛めているのでしたら、ぜひ保全緑地に指定ということも考えていただければと思います。小金井市が緑豊かな住みやすいまちになるように、ぜひ市長のご尽力をお願いして、この緑地保全についての質問は終わります。」
2022年第1回定例会 2022/3/2 一般質問(森戸ようこ)
森戸ようこ(日本共産党小金井市議団/日本共産党)
「国分寺崖線の緑を守るためにということで質問をさせていただきます。
前原三丁目の大規模開発について、周辺住民から、陳情書という形で問題提起が行われ、国分寺崖線の緑と周辺住環境を守ることの声が、この市政にも届けられました。今回の大規模開発に当たっては、事業者は法令に則って進められており、問題がないということは理解するところであります。ただ、こうした大規模開発、指定開発に当たって、市の公共施設を設置するということは、市と事業者との話合いで行われてきたものであります。設計ができた後に、事業者との調整は終わっているとして、周辺住民に何ら情報が伝わらず、いきなりそういう説明をされるということは困惑するというのは当然ではないでしょうか。まちづくりに市民が参加しようといっても、参加にはなっていないという実情が、今回の問題でも明らかになりました。
そして、今回のこの事案で、改めて、現状のまちづくり条例に問題はないのかということを、私はよく検証していく必要があると思っています。改定も含めた検討について、今日は問題提起をさせていただきたいと思います。
まず、大規模開発の件であります。端的に伺いますが、擁壁3メートルの高さについては都市計画法での規定があり、市は十分に協議するということが規定されています。市として、なぜ3メートルの擁壁を認められたのか伺いたいというのが1点であります。
2点目は、小金井市の環境配慮指針であります。規定では、開発区域に接する既存道路で幅員6メートル未満の場合は、原則として道路中心から3メートル以上後退するとしています。今回の南側の方は、中心から2メートルということで、市は同意をされています。これは、市はいろいろ理由があるとは思いますが、周辺の宅地状況から、3メートルのセットバックを求めるべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。また、東京都の景観条例に基づく景観形成基準を遵守することが求められています。擁壁を低くすることと併せ、擁壁にするのであれば、開発区域の外側を緑化することなどを求めていくことが必要ではないかと思いますが、その点での見解を伺いたいと思います。」
都市整備部長
「初めに、市としての対応でございます。
開発区域に含まれていない周辺公道の隣接際を切り盛りして擁壁または斜面をつくる場合は、その公道の管理者等と十分協議をして設計することと、東京都の開発許可関係実務マニュアルに記載されてございます。当該開発では、開発区域南側の市道第213号線に隣接して擁壁を築造する計画となっていることから、その公道の管理者として協議をさせていただいておりました。その具体的な協議内容でございますけれども、擁壁の構造が東京都の基準に合致したものかどうか、また、官民境界を侵していないかどうか等について確認をしているものでございます。
また、セットバックについてでございますが、日頃より、開発指導における道路のセットバックにつきましては、開発業者が計画している内容をヒアリングし、セットバックの必要性等を協議してございます。当該開発の計画では、開発区域側の宅地が南側の市道第213号線に接道を取らない計画であり、また、現状でも通り抜けがほとんどなく、今回の開発の影響で新たな交通が発生しない道路でございます。そのような理由から、開発業者の計画においては、中心から3メートルまではセットバックしない計画となっており、本市としても、3メートルのセットバックの必要性はないものと判断をしてございます。
続きまして、東京都景観条例についてでございます。国分寺崖線上の開発に係る擁壁及び外構の緑化等についてご答弁をさせていただきます。東京都は、景観法に基づく景観行政団体として、良好な景観の形成を目的とする東京都景観計画を策定しております。この計画では、東京の景観形成において特に重要と考えられる11の地域が景観基本軸に指定されており、このうち1つが国分寺崖線を含む国分寺崖線景観基本地区でございます。国分寺崖線景観基本地区内で建築物の建築等を行う者は、景観法及び東京都景観条例に基づき、あらかじめ都知事に届出を行うこととされており、届出の内容につきましては、東京都において定める景観形成基準について、適合の確認が行われるものでございます。
東京都景観計画の基本的な考え方や景観基本地区の位置付けなどにつきましては、市におきましても把握をしており、その趣旨は尊重されるべきものと捉えておりますが、ご質問のような景観法及び東京都景観条例に基づく個別具体の届出の受理や適合の確認及び勧告等の手続につきましては、東京都の所管事項でありまして、市では、お答えする立場ではないことから、ご理解を賜れればと思ってございます。」
「今、答弁いただきましたが、ちょっと、私はよく納得ができないですね。市と十分に協議することと言われているわけですよね。宅地開発の規制区域であるということから見ても、本当に、擁壁3メートルで大丈夫なのかということは検討する必要がありますし、セットバックも開発区域に接してないとおっしゃったんですかね。区域としては、市道第213号線は、ぐるりとかかっている沿線道路の一つなわけで、幅員6メートル未満の場合は、原則として道路中心から3メートル以上後退するということに当たると思います。
緑化についてはどうなのかというお答えはなかったので、ぜひ今後、このぐるりについて、擁壁を下げるということが私は必要だと思いますが、少なくともそういう緑化を行うようにしていく必要があるんじゃないかと。東京都の景観条例は、景観形成基準の中で次のように言っています。土地利用として、事業地内外の緑が崖線周辺市街地の緑、公園や散策路と一体となる緑のネットワークが形成できる計画とすると述べているんです。また、崖線の造成については、崖線の大幅な改変を避け、長大な擁壁やのり面などが出現しないようにする。擁壁やのり面では、壁面緑化などを行い、圧迫感の軽減を図ると、このように、東京都の条例の中では述べているわけです。したがって、これは東京都の所管だからということにしないで、小金井市としても、ぜひ、十分に注意を払っていただきたいと思います。
まちづくり条例は、第7条で、市は事業者に対し、住みよいまちづくりを推進するために、必要な指導または助言を行うものとすると述べているわけで、その点からすれば、及び腰になっているとしか私には受け止められず、本当に、国分寺崖線などを守る意思があるのかなと思わざるを得ません。ぜひ、このまちづくり条例の第7条の立場で、引き続き事業者、また、周辺住民との話合いについては見守り、必要であれば指導や助言を行っていただきたいということを要望しておきたいと思います。
他市の事例はどうなのかということであります。お隣の国分寺市は、国分寺崖線の保全について、まちづくり条例に規定をしています。小金井市はこの規定の条例がありません。第9条で、国分寺崖線の保全を位置付けているんです。今日お配りした資料の中にも、7ページに書いてありますが、国分寺崖線についてはこのように規定しているんだということが分かりました。したがって、宅地開発の指導要綱の中で、国分寺市は、崖線の区域については、公園提供については、6%にプラス2%してくださいよということを事業所に求めているんです。私は、国分寺市は本気で崖線を守ろうとしているなと思いました。併せて、ちょっと申し上げると、国分寺市は、調整会というのを持っています。調整する会議ですね。近隣住民が異議があるときには、近隣住民の過半数の署名をもって市に届けると、まちづくり市民会議の識見委員から調整会員というのを選出をして、事業者代表と近隣住民代表、小金井市が事務局になって話合いを行うということを行っています。
私は、小金井市は建築確認申請の手続をしない市ではありますけれども、こうした近隣住民との調整なども含めて求められているなというのを感じました。これは、通告にはないんですけれども、全体としてそういうことです。今の調整会の話は通告には入れてないけれども、さらに突っ込んで調べるとそのようになっているということであります。
それから、三鷹市は、開発を行ったときに、環境配慮計画書を求めて、環境配慮審査会を設置して、計画について審査し、指導や助言をすることができると規定しています。小金井市としても、この国分寺崖線を守る、それから自然環境を守るという立場から見て、こうした規定を盛り込むことが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。」
環境部長
「それでは、国分寺崖線を守るための規定の改正というような形のご質問だったと思います。
現在、指定開発事業に係る公園の負担割合につきましては、宅地開発等指導要綱におきまして、3,000平米以上の宅地開発では、6%以上の公園設置をお願いしているところでございます。
議員ご紹介いただきましたとおり、国分寺市の事例のように、国分寺崖線区域の指定開発事業について、特別な規定を盛り込むことは、緑を保全するという観点に特化すれば有効な手段であると考えられるところではございます。
しかし、規制をより強くするということに関しては、やはり、慎重な判断を要すると思っておりますので、今後、都市整備部とも情報共有を図りながら研究させていただければと考えております。」
森戸ようこ
「規制を強くすることがどうなのかということですが、国分寺市ではそういうことをやっていらっしゃるわけですから、小金井市の緑を守るという、自然を守るというこの姿勢が問われると思います。ぜひお願いしたいと思います。
私は、やっぱり市長に伺いたいのは、本当に国分寺崖線の緑、はけを守るつもりがあるのかということであります。この間、小金井市は、国分寺崖線を守るために、東京都と様々な連携をしてきました。滄浪泉園も、マンション建設が沸き起こったときに、当時、永利市政が、滄浪泉園を東京都に買ってもらって残したわけですね。これ以外にも、はけの森緑地、美術の森緑地、どんぐりの森公共緑地、こうした国分寺崖線を、東京都と連携して残すという努力をされてきたわけです。今回の土地について、この間の答弁を聞いていても、市は保全するための努力が見られない。せめて、今からでもいいので、国分寺崖線だけでも買い取るということを考えられないのか。私は、まちづくり推進課、環境政策課が連携して行うべきだと思いますが、市長の見解はいかがでしょうか。」
環境部長
「当該開発地は、国分寺崖線に位置し、ほぼ全てが生産緑地でありましたことから、指定の解除に当たり、買い取りの第1優先権は、生産緑地法上、行政にございました。市に買取申出書が提出されてから、1か月間は、市や東京都により買取検討期間、その後2か月間は、農業委員会を通じた農家へ買取希望照会期間を経た後、買取希望なしとして生産緑地の行為制限が解除され、所有者により民間事業者へ売却をされました。当該開発地は、その特徴的な地形により、貴重な緑が存在する国分寺崖線上にあり、本市にとっても大変貴重なものではございました。しかしながら、所有者のご事情もある中で、生産緑地の買取希望への回答は極めて限られた期間内での速やかな判断を余儀なくされております。もう庁内だけでなく、東京都へ買取照会を行うなど、土地の買収、借用その他の保全、活用についての検討も行いましたが、買取りにかかる多額の財政負担については、慎重かつ総合的な判断をしたところでございます。」
森戸ようこ
「時間がないので、今そういう答弁でありました。市長、やっぱり、私は東京都とよく話し合うべきだったと思いますね。いろんな知恵が働くんですよ。例えば、栗山公園も、あれもマンションができるとなったときに、小金井市は東京都にまず買ってもらった。それで、年次計画を立てて、東京都へお金を払って売却をして、最終的に、全面的に小金井市の土地にしてきたとか、やり方はいろんなやり方をできるはずなんですよ。
市長も都議会議員だったわけですから、やっぱり、そういう知恵を働かせて、本気で国分寺崖線を守るという立場で、私は動いていただきたいし、今からでも遅くないと思います。ぜひ、民間業者とも話し合って、国分寺崖線だけは残すということで頑張っていただきたいということは強く申し上げておきたいと思います。」
2023年第1回定例会 2023/3/1 一般質問(森戸ようこ)
森戸ようこ(日本共産党小金井市議団/日本共産党)
「宅地開発に伴い、屋敷林の樹木などが消失しています。東町五丁目の宅地開発では、近隣住民の方からも、緑がなくなることに心を痛めていらっしゃいます。温室効果ガスを削減するためには、民有地の緑の確保が急務であると考えています。とりわけ、国分寺崖線の一団の緑は、市が財政的な負担をしても保全する必要があると考えています。例えば、ムジナ坂から武蔵野公園の間の緑、さらに、中町四丁目、貫井南町三丁目、貫井神社辺りを含めて、東京都と連携して保全を図るべきであると考えますが、市はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。小金井市まちづくり条例等で国分寺崖線の保全等を位置付けるように、環境政策部門からも、まちづくり担当課に要請をし、連携して、後追いではなく、先を見た緑の保全対策をとっていただきたいのですが、いかがでしょうか。
そして最後ですが、国分寺崖線沿いの前原町三丁目の宅地開発は、非常に多くの緑が消失してしまいました。国分寺市では、緑地や遊水等の優れた自然環境を保全するための独自の開発基準などを定めています。環境共生型の土地利用を目指した取組を進めていますが、小金井市として、緑化割合や保存樹木の割合を高める指導をしっかりと行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。」
環境部長
「それでは、例えばムジナ坂から武蔵野公園の間の樹林地につきましては、既に武蔵野公園の都市計画区域に指定されておりまして、東京都により保全が図られる緑であると認識しております。また、国分寺崖線はみどりの基本計画におきましても緑の軸に位置付けており、今後も東京都と連携しながら、適切な管理及び保全に努めてまいりたいと考えております。
次に、本市の令和2年度より、宅地開発等指導要綱を改正いたしました。中高層建築事業につきましては、公園や緑地の整備割は割合を2%上乗せし、開発区域面積の1,000平米以上3,000平米未満につきましては5%、それから、3,000平米以上につきましては8%以上とし、地域全域で国分寺市の国分寺崖線区域内と同程度の指導をしています。また、令和4年度より、200平米以上の建築行為に対しても緑化指導を行い、まちなかの緑の保全・創出に努めているところでございます。
ただ、敷地内の緑化につきましては、国分寺市は本市より厳しい基準で指導をしていると認識しているところですが、宅地開発に伴う緑化の指導は、私有財産に対して制限をかける行為となりますので、慎重に研究する必要があるかなと考えています。特に国分寺崖線区域内の開発行為に対して現状よりも強い制限をかけることは、国分寺崖線沿いの地権者の公平性の配慮を十分にしなければならないと考えておりますので、大変申し訳ございませんが、研究課題とさせていただければと思っております。」
小池百合子と公明票・公明票を除いたら小池百合子の結果はどうなってしまうのか
これまで、W石丸・蓮舫・安野各氏の得票傾向を分析してきて、一人、分析し忘れているよ、と思われている方も多くいらっしゃるかもしれません。そうです、今回の勝者、小池氏のことです。ということで、彼女の得票を分析していきたいと思います。
分析方法はこれまでと同じです。
小池氏の得票と学歴・年齢の関係
小池氏の得票と教育水準についてですが、外れ値は多いですが散布図を見る限りどちらかというと大卒以上の比率が下がるほど絶対得票率が上がる傾向があるようです。相関係数は、-0.60(奥多摩町・檜原村・島部除く)でした。

小池氏の得票と年齢の関係ですが、外れ値は多いですが散布図を見る限りどちらかというと20代から40代の割合が下がるほど絶対得票率が上がる傾向があるようです。相関係数は、-0.81でした。

それぞれの影響を消した偏相関係数では、大卒院卒比に対しては-0.04、20~40代比に関しては、-0.80となるため、小池氏の得票は教育水準と関係なく、もっぱら年齢に影響を受けるということでしょうか。
公明党との関係が気になる理由
ここで公明党との関係が気になります。というのは、今回、小池氏は公明党の応援を受けました。私は、都内の最大の組織票は創価学会であると考えています。自民党を支援する各種団体の方が力が大きいのではないか、と考える人もいるとは思いますが、都内において、自民党関連の組織票・基礎票は過大評価されていると私は考えています。
例に武蔵野市長選の市議選・参院選の政党別の得票を比較してみます。公明党は、市議選・参院選の得票の差がほぼないのに対し、自民党は3割以上も差があります。この3割はもちろんのこと、市議選の得票にも組織的ではない集票があると推測するならば、自民党の多くの得票は浮動票であると考えられるのではないでしょうか。
<武蔵野市>
| 自民党 | 公明党 | |
| 市議選 | 16,814 | 4,477 |
| 参院選・比例 | 23,231 | 4,003 |
手元に武蔵野市の市議選の保守系無所属の得票データがあるため利用
もし、創価学会票(フレンド票含む)を除いた場合、小池氏の得票の傾向がどうなるのか、気になります。
もし公明党・創価学会の基礎票の影響を抜いたならば
公明党とは、どういう得票傾向のある政党なのでしょうか。2022年参院選の自治体別の得票から分析してみたいと思います。

公明党は、数少ない学歴と得票に負の相関のある政党です。大卒・院卒が増えれば増えるほど、公明党の得票は減ります。自治体の大卒・院卒比との相関から自治体の20~40代比の影響を除いた偏相関係数は、-0.38でした。(相関係数は-0.86)

20~40代比と得票の関係でも負の相関があるように見えます(相関係数は-0.70)。しかし、世代を経ることに、大卒・院卒が増えていることもあり、大卒・院卒比の影響を除いた偏相関係数では、-0.09と、世代との相関は見えませんでした。
もし、公明党の影響をなくしたならば、小池百合子の得票傾向はどのように変わるのでしょうか。小池氏の自治体別得票と2022年参院選公明党の自治体別得票の相関係数は、0.62と、強い相関があります。
自治体の大卒・院卒比と小池百合子の得票の相関から、2023年参院選の公明党の得票の相関をひいた偏相関係数を算出します。この偏相関より、公明党の得票の影響を除いた大卒・院卒比と20~40代比の相関を除いた偏相関係数は、-0.22となりました。
同様な方法で、公明党票の影響を除いた自治体の20代~40代比と小池氏の得票の偏相関係数は、-0.21となりました。
ということで、小池氏の得票傾向はまとめられると思います。比較的、大卒・院卒比が低い方が、20~40代が少ない方が、小池氏の得票が伸びる傾向があります。しかし、教育水準の低い傾向のある公明党票(創価学会員+フレンド)の影響が強く働いています。その影響を除くと、傾向こそ変わらないものも、教育水準や世代の影響は、蓮舫氏や石丸氏ほど大きくないでしょう。
石丸投票者は蓮舫投票者のすぐそばにいる??~蓮舫氏・安野氏の得票傾向~
前回は、石丸氏の得票の傾向を、学歴と年齢の軸から分析してみました。今回は、蓮舫氏と終盤に注目を集めた安野氏の得票について分析します。
(前回はこちら)
ということで今回も結論から書いていきます。
前回同様、学歴(大卒・院卒比)と年齢(20~40代)人口比の相関係数をみると、それぞれの候補が、相関があることがわかります。
| 石丸氏 | 蓮舫氏 | 安野氏 | |
| 学歴 | 0.44 | 0.40 | 0.30 |
| 年齢 | 0.34 | -0.34 | 0.41 |
(学歴は年齢の影響を、年齢は学歴の影響を除いた偏相関係数。島部を除く)
注目すべきは、二点でしょう。
1点目、石丸氏と蓮舫氏の得票と、学歴・年齢の関係は似通っているということです。学歴との関係は全く同じで、高学歴なほど得票する傾向があります。年齢は同程度の相関ですが、方向性は真逆です。蓮舫氏は、負の相関になっていて、20代から40代の割合が多ければ多いほど、得票を逃す傾向がありました。
ここから言えることは、石丸投票者と蓮舫投票者の社会経済的環境は、とても近いということだと思います。同じ家族にいてもおかしくないでしょう。年齢と性別で傾向が異なるため、親は蓮舫氏に投票し子は石丸氏に投票する、兄は石丸氏に投票し、妹は蓮舫氏に投票するといったことが十分ありえるでしょう。
2点目は、石丸氏と安野氏は傾向が似ているが、石丸氏の得票は学歴の方が影響が強く、安野氏の得票は年齢の方が影響が強い、ということがわかりました。高学歴パワーカップルでテクノクラシー傾向の強い安野氏よりも、石丸氏の得票の方が、学歴の影響を受けているのは意外でした。石丸氏・蓮舫氏・安野氏の投票者は、結構近いところにいそうですね。
データ編




だれが石丸伸二に投票したのか~データで見る驚きの正体~
文学研究科修了のザ・文系ではありますが、素人ができる範囲でエクセルの機能のみを使いデータ分析してみました。プロから見ると怪しいところ誤っているところがあるかもしれません。優しく指摘いただけますと助かります。
結論から申し上げますと、都心・城西・城南・中央線沿線(荻窪~国分寺)によく住む、男性・高学歴(大卒以上)・若年の方々が、比較的多く投票していました。石丸氏は、YoutubeやTickTockといったSNSの煽りタイトルの切り抜きショート動画で人気を博したといわれています。一見、いわゆる「B層」、低リテラシー、教育水準の低い方々が投票していたかのように思えるのですが、実は、逆で、世の中ではリテラシーが高いとされている層の人々でした。

先行研究
これから、学歴(大卒以上or大卒未満)と年齢(20~40代)を軸に分析していきます。この二軸を用意したのには、もちろん、理由があります。
投票行動研究において、SES(socioeconomic status / 社会経済状況)が投票行動に影響を与えることが注目されていました。野田昌吾のドイツの先行研究の紹介*1によるならば,ドイツにおいて所得の格差が、政治参加の格差につながっている、その格差はより拡大しているとのことでした。日本の投票行動についても、境家史郎が、80年代においては、教育程度が低い方が投票参加する傾向にあったが、90年代以降、教育程度の高い層の投票参加が進み、教育程度の低い層の投票参加が減退し、その関係が逆転していることを示しました。*2
社会学・教育社会学においても、日本社会は「大卒」「非大卒」で分断されているという指摘がされてきました*3。第1回SSP調査(2015年)とそれに基づいて出された書籍、数土直紀の『社会意識からみた日本--階層意識の新次元』や吉川徹の『現代日本の「社会の心」 - 計量社会意識論』において、政治参加意識における学歴格差が明らかにされました。第2回SSP調査の報告書を見る限り、傾向に変化はなさそうです。
実際に、今回の選挙の投票率を見ると、大卒・院卒比率の高い自治体では、投票率が高く、逆に、大卒・院卒比率の低い自治体では投票率が低くくなっています。

もう一つ、年齢を軸にしたのは、出口調査で低い年齢の高い支持が言われていたからです。性別も男性に偏ることがわかっていますが、この分析で使う自治体別データだと明らかにできないと思われるので、所与のものとして扱いました。
分析
学歴
自治体ごとの石丸氏の絶対得票率と、自治体ごとの国勢調査のデータの卒業者のデータから、石丸人気と学歴の関係を分析しました。
話題の石丸伸二氏以外に、アディーレ法律事務所の石丸幸人氏も立候補しており、誤って幸人氏を選んだ有権者も少なくないと考えられるので、両者の得票を合算して計算しました。また得票データは、投票率の際の影響を防ぐため、投票者数を母数にした一般的な相対得票率ではなく、全有権者を母数にした絶対得票率に計算しなおしました。
国勢調査は最新の2021年のものを利用します。
これがその結果です(人口の少ない島部除く)。縦が石丸氏の得票率、横が大卒・院卒比です。大卒・院卒比が上がれば上がるほど、得票率が上がる関係(相関)がわかります。

これを見ると、学歴が上がると、石丸氏の得票率がまっすぐ上がっていくようです。とてもばらつきが少なく、一直線に近くなっているように見えます。相関関係を明らかにする相関係数*4は約0.92、学歴と得票率の間にとても強い相関を表しています。ばらつかなかったということは23区で強いとか多摩で強いという地域ファクターが、おそらくなかったものと思われます。
このグラフを見たとき、ふと、思いました。本当は相関関係がないにもかかわらず、ほかの因子によって相関関係があるように見える疑似相関を考えなくていいだろうか、と。日本は年々高学歴化が進んでいるため、年齢と学歴は相関関係があるはずです。石丸氏が若い世代に強い、というように報道されているため、本当は年齢に起因する疑似相関ではないか、と、年齢との関係を調べることにしました。
(工場の品質管理ならともかく、調査者が操作できない社会科学領域において、0.9以上という相関係数は高すぎ、研究のやり方を疑うレベルらしいです)
年齢
ということで、年齢との関係を分析することにしました。支持率が高い世代を見て、20~40代の人口比によって、絶対得票率は左右されるのか調査します。年齢データは、同じく2021年の国勢調査を使います。
その結果はこちらです(人口の少ない島部除く)。

学歴ほどではないですが、年齢と石丸氏の得票率に強い相関があることがうかがえます。相関係数は、0.83でした。
年齢・学歴の相互の影響を消して分析
そこで、それぞれの影響を消しても、相関関係があるか調べるべます。別の変数を除いた場合の相関係数を偏相関係数といい、これを出してみることにしました。
したところ以下の結果となり、もとよりは弱いものも、いずれも相関関係があること、学歴との相関関係の方が、年齢との相関関係よりやや強いことがわかりました。
得票率と学歴の偏相関係数:約0.44
得票率と年齢の偏相関係数:約0.34
ということで、報道の通り男性で、調査結果の通り、高学歴であり、若い世代が、石丸氏に比較的多く投票したとみて間違いないようです。
P.S.
それにしてもなぜ、日本の世論調査や出口調査は、学歴との関係を調べないのでしょうか。疑問でなりません。
*1:野田 昌吾(2015)「誰が投票に行かないのか : 選挙から見た自由民主主義の現在」立命館大学政策科学会 『政策科学』22 (3), 95-114
https://ritsumei.repo.nii.ac.jp/records/5066
*2:境家史郎(2013)「戦後日本人の政治参加― 「投票参加の平等性」 論を再考する―」日本政治学会『年報政治学』 64 巻 1 号 p. 1_236-1_255
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nenpouseijigaku/64/1/64_1_236/_article/-char/ja/
*3:
*4:0に近いほど相関なし、1または-1に近いほど相関あり
2024年都知事選、なぜ蓮舫候補は敗れたのか
なぜ、蓮舫氏は都知事選挙に敗北し3位になったのか。結果論ではあるが、敗因は明確だと考えています。
私は数少ない選対本部に入った経験から、選挙は戦略が全て、プロセスが全て、準備がすべて、告示日に全ては決していると思っています。良い商品(政策・候補者)があっても、広める術がなければ売れません。ということで、政策や候補者は掘り下げず、戦略・戦術面で4点まとめてみました。
1)現職の勝率は100%
これは手短に済ませます。都知事選に限らず、現職は圧倒的に強いです。アダム・プジェヴォスキという政治学者が、世界中の過去200年の3000回近い選挙を調べたところ、79%の確率で、現職が勝つことがわかったそうです。それぐらい現職に勝つことが難しく、むしろ、勝負を避けなかったことに、敬意を表したいです。
2)テレビ時代の政治家、SNS時代に敗れる
蓮舫氏という政治家は、テレビキャスター出身、議員としても大臣としても活躍し、その知名度で当選を重ねてきました。初当選以降、必ず当選できるということで、他の候補の応援演説がもっぱら、自分の選挙を戦ってきたことがありませんでした。その間に、選挙のスタイルは大きく変わってしまいました。他の議員と異なり熱心なファンを持っていませんでした*1。
かつて、都知事選挙は後出しじゃんけん、後発の候補が有利という話もありました。それは、情報源がテレビと新聞しかなかった時代、告示日が近づくとメディアが騒ぎ出すので、その時に波に乗れば勝てたのです。
別に、後出しじゃんけんを狙ったわけではないですが、告示1か月前まで、候補者擁立の判断を遅らせてしまえたのは、上記のことが原因でしょうが、その結果、致命的な敗北を招くことになりました。
対抗馬の石丸氏は、東京15区補選の開票とともに立候補を表明、ランサーズ・クラウドワークスで切り抜き動画職人を集めながら、支持拡大を加速していきました。もともと、市長時代から市議を罵倒し議会の名誉を傷つける動画を拡散させることで全国的な知名度を持ってきました。この活動も、都知事選立候補の準備だったのかもしれません。
他方で、蓮舫氏は立候補表明からSNS上でファンづくりを始めました。時間は1か月しかありません。身近なところからファンを作ろうとすればそれは野党支持者になります。さんざん、野党支持者以外に支持が広がらないといわれましたが、それはスタートダッシュの遅さに起因するものでした。
石丸陣営のファンたちの活動を見ていると、せっせと応援グッズを作り、ネットで共有していたので、基本的に蓮舫陣営のファンとやっていることは変わらなかったんじゃないか、と思います*2。
3)「無党派層」という虚構・野党支持者の不足
我々はいつも「無党派層」に支持が広がったのかという軸で評価を受けます。逆に、支持層は少なくとも、「無党派層」の支持で勝つということに誇りを持っている部分もあります。しかしながら、本来、政党支持率調査のその他の項目が無党派層・支持政党なし層であり、雑多な集団を統計分析上の項目にすることは、本来、避けなければならないことです。むしろ、その他が多数となる統計は設問が間違っています。
にもかかわらず、長らくリベラル陣営は、この雑多な無党派層なるその他属性の代弁者のようにふるまってきました。しかしながら、それは、自分たちの支持者の少なさを言い訳する精神的勝利法だったのではなかったのではないでしょうか*3。
自民党は、いわゆる無党派層の支持では負けても、自党と公明党の支持層の力で勝つことがしばしあります。逆に、野党だって支持者が多ければ無党派層などというその他属性の支持に関係なく、選挙に勝てるはずです。今、自民党→その他→野党という支持の移動がありますが、これをどんどん加速させていかなければなりません。
とにかく、都知事選に勝つために野党の支持率は足りなすぎます。
4)市民選挙は支持を拡大させるのか?ひとり街宣の本当の価値
杉並区長選以来の「ひとり街宣」という手法が、選挙運動に持ち込まれ話題になりました。多くの人がこの活動に参加しました。この活動は支持拡大につながったのか、私は少々疑問です。
筆者は、5年前の参院選に、立憲民主党の山岸一生候補を有志で応援する「チームいっせい@こがねい」という活動に関わりました。詳細は省きますが、立憲民主党の二人の候補のうち山岸候補に票を集める(他の自治体との比較すると1000票近く)一方で、立憲民主党含む野党全体の得票や投票率には影響を与えることができませんでした。つまり、比較的近い有権者の票割・棄権防止以上の効果は期待できないということです。
それであっても、たぶん、杉並区長選挙では意味があったと思います。対抗馬の現職・田中良は、そもそも教科書問題で市民に推され区長になった人物であり、保坂展人の応援も受けていました。付き合いで現職を応援してきたリベラル人を引き離すのにひとり街宣などは効果的であったことでしょう。相手の支持者が減り接戦になれば、おのずと投票率も上がります。
では、ひとり街宣含む市民選挙は無意味だったのでしょうか。そんなことはありません。6割の人は投票には行きますが、それ以上に参加したことある人はほとんどいないでしょう。多くの人たちの初めての政治参加の機会となりました。私は、主権者教育は青年のうちに学校で済まされるものではないと思っています。共同体に参加し、一緒に活動し議論し学ぶということが、本来の政治教育の姿でしょう。ドイツなどでも政党・政治団体こそ、政治教育の担い手だと考えられています。
また、戦後民主主義世代に支持者が偏る野党勢力・リベラル勢力ではありますが、この選挙は若い世代への継承の機会にもなりました。人数の多い上の世代がいつか鬼籍に入り、一気に世代交代が進む時が10年以内にあります。その時に支持者の総数は少なくなりますが、かなりフレッシュな勢力になるでしょう。未来は明るいでしょう。
P.S.ひとり街宣が支持を広げるかどうかは別として、駅頭に立つと嬉しいことはいくつもありました。これまで地元で一緒に活動したことのない方々が、どこかで一人街宣をして帰ってきた姿をよく見たものです。この地域に知らない仲間がいっぱいいるということを再確認しました。
2023年、データで見る杉並の真実
2023年の杉並区議会議員選挙、自由民主党の候補が大量落選、他方、岸本区長の推す候補が、多数当選して話題になりました。
世の中としては、岸本区長と市民の活動が投票率を上げ、この選挙結果になったと信じられていますが、本当にそうだったのか検証してみます。
自由民主党の一人負け・都民ファーストの会/日本維新の会の投票率への貢献
投票率が上がったことにより、当落ラインが上がり、自由民主党候補が落選したという言説を見ました。それは本当なのでしょうか?
まず、投票率ですが、今回、4%程度上がっています。各陣営ごとの絶対得票率がどのように変化したのか、まとめてみました。

| 党派名 | 2019年・得票数 | 2022年・得票数 | 得票数差 | 2019年・絶対得票率 | 2022年・絶対得票率 | 絶対得票率差 |
| 自由民主党 | 50,319.536 | 42,259.023 | -10,764.513 | 10.69% | 8.96% | -1.73% |
| 公明党 | 20,568.117 | 20,947.49 | +37,9.373 | 4.37% | 4.44% | +0.07% |
| 都民ファーストの会 | 10,528 | +10,528 | 2.23% | +2.23% | ||
| 日本維新の会 | 2,735.351 | 9,793.239 | +7,057.888 | 0.58% | 2.08% | +1.50% |
| 倉本美香 | 5,612 | +5,612 | 1.19% | +1.19% | ||
| 井口絵美 | 3,929.469 | +3,924.469 | 0.83% | +0.83% | ||
| 田中朝子 | 2,549.52 | +2,542.52 | 0.54% | +0.54% | ||
| 岩田生真 | 2,506 | +2,506 | 0.61% | 0.53% | -0.08% | |
| 立憲民主党 | 25,459.073 | 28,213.76 | +3,853.335 | 5.41% | 5.98% | +0.57% |
| 日本共産党 | 20,050 | 17,564 | -2,486 | 4.26% | 3.73% | -0.54% |
| 杉並・生活者ネットワーク | 8,167 | 6,134 | -2,033 | 1.74% | 1.30% | -0.43% |
| れいわ新選組 | 5,966 | +5,966 | 1.27% | +1.27% | ||
| 緑の党グリーンズジャパン | 3,320 | +3,320 | 0.70% | +0.70% | ||
| 奥山妙子 | 2,117 | 3,261 | +1,144 | 0.45% | 0.69% | +0.24% |
| 松尾百合 | 3,828 | 3,096 | -732 | 0.81% | 0.66% | -0.16% |
| 自治市民 | 1,199.626 | +1,199,626 | 0.25% | +0.25% | ||
| 都政を革新する会 | 3,275 | 2,632 | -643 | 0.70% | 0.56% | -0.14% |
| 堀部康 | 4,386 | 3,252 | -1,134 | 0.93% | 0.69% | -0.24% |
絶対、得票率とは、有権者のうちどれぐらいの人がその党派に入れたのかという割合ですが、自由民主党だけ大幅に減っていることがわかります。他方で、区政与党(国政野党)だけでは、1.7%程度しか投票率が上がっておらず、都民ファーストの会と日本維新の会の投票率への貢献は大きいものでした。
3%の人が動くと世の中変わると言いますが、都民ファーストの会と日本維新の会が3%以上絶対得票率を伸ばして、世田谷区はどう変わってしまうのでしょうか?
やっぱりお手本は杉並区でしょうか? pic.twitter.com/xxGP6VF902
— 笛美「ぜんぶ運命だったんかい おじさん社会と女子の一生」発売中 (@fuemiad) 2023年4月28日
自民党の各候補の得票数を見てみました。総じて減少傾向です。前回よりも候補者を減らしたにもかかわらず、得票を減らすことになりました。前回の最下位当選が2,020票であることを勘案すると、小川宗次郎氏以下は、前回並みの当落ラインでも落選したことになります。
推測ですが、先の区長選挙で、岸本氏が現職を破り、自由民主党の各議員が首長への近さを失ってしまったことが、大きな影響を与えたのではないか、と思います。また、前区長派・反前区長派の対立が、しこりを残した部分もあるのかもしれません。
| 候補者名 | 2019年 | 2023年 | 差 |
| 大和田 伸 | 6,003 | 5,436 | -567 |
| 脇坂 達也 | 4,727 | 5,079 | +352 |
| 藤本 直也 | 3,063 | 2,983 | -80 |
| 吉田 愛 | 2,718 | 2,921 | +203 |
| 渡辺 友貴 | 2,762 | 2,860 | +98 |
| 矢口 泰之 | 2,369 | 2,765 | +396 |
| 浅井 邦夫 | 2,712 | 2,553 | -159 |
| 井口 かづ子 | 2,844 | 2,435 | -409 |
| 小川 宗次郎 | 2,298 | 1,999 | -299 |
| 大熊 昌巳 | 2,022 | 1,942 | -80 |
| 松浦 威明 | 2,970 | 1,796 | -1,174 |
| 国崎 隆志 | 2,387 | 1,761 | -626 |
| 今井 洋 | 2,035 | 1,723 | -312 |
| 大泉 泰政 | 2,020 | 1,722 | -298 |
| 井原 太一 | 2,937 | 1,580 | -1,357 |
| 葉梨 俊郎 | 1,826 | ||
| 庄司 玉緒 | 1,789 | ||
| 田中 佳代 | 1,533 | ||
| 榑松 幸代 | 1,304 |
2019年立憲民主党のポテンシャル
議席を伸ばした立憲民主党ですが、そのポテンシャルは既に前回、2019年の区議選の時に秘めていたものでした。
| 2019年・当落 | 2019年・党派 | 2019年・候補者 | 2019年・得票数 | 2023年・当落 | 2023年・党派 | 2023年・候補者 | 2023年・得票数 | 得票数差 |
| 当 | 立憲民主党 | 樋脇 岳 | 5,242 | 当 | 立憲民主党 | 樋脇 岳 | 3,844 | -1,398 |
| 当 | 立憲民主党 | 関口 健太郎 | 5,023 | 不出馬 | -5,023 | |||
| 当 | 立憲民主党 | 山本 明美 | 4,336.425 | 山本 明美 | 1,867 | -2,469.425 | ||
| 当 | 立憲民主党 | 川野 孝章 | 4,134 | 不出馬 | -4,134 | |||
| 当 | 立憲民主党 | 太田 哲二 | 3,758 | 立憲民主党 | 太田 哲二 | 2,094 | -1,664 | |
| あたらしい党 | 前山 直子 | 1,654 | 当 | 立憲民主党 | 前山 直子 | 2,942 | +1,288 | |
| 自由党 | 松本 浩一 | 1,311.648 | 当 | 立憲民主党 | 松本 浩一 | 2,839.76 | +1,528.112 | |
| 当 | 立憲民主党 | 安田 真理 | 6,532 | +6,532 | ||||
| 当 | 立憲民主党 | 赤坂 珠良 | 4,189 | +4,189 | ||||
| 当 | 立憲民主党 | 寺田 陽香 | 3,906 | +3,906 | ||||
| 合計(立憲民主党のみ) | 22493.425 | 合計(立憲民主党のみ) | 26346.76 | +3,853.335 | ||||
| 合計 | 25459.073 | 合計 | 28213.76 | +2,754.687 | ||||
| 2019年合計→2023年立憲民主党のみ | +887.687 |
前回の区議選でも、立憲民主党候補(5名)が、安定的に上位当選していることがわかります。基本的には前回取得した得票数をもとに、候補者を増やし、票をうまく分け合って、候補者を増やしました。
関口さんが都議選に転出、川野さんが引退して空いた9000票、現職・樋脇さんから1300票回して、新人を当選させています。特筆しないといけないところは、前区長派で離党した山本さんから2400票、前区長派の太田さんから1600票あまり票を回収し他候補に分配、落選に追い込んでいることです*2。街頭活動などで岸本区長と行動をともにすることで、立憲民主党が区長派であること、その中でだれが本当に区長派なのか支持者にはっきりさせたことが、大きく効果を挙げているように見えます。
地方選挙は、単記非移譲式大選挙区制の為、政党名より個人名の影響が大きいとされます。刺客を立てたとしても、相手の議員は個人票を持っているので、倒すことができないというのが一般的です。しかし、杉並区の立憲民主党については政党名のラベルが大きな意味を持っていることがわかりました。
まとめ
ここまでをまとめてみました。
- 自由民主党は大後退。区長選挙の敗北が大きい?
- 都民ファーストの会と日本維新の会は3%近く投票率を上昇させた。3%が変わると世の中は変わるというが、杉並区はどうなってしまうのか?
- 国政野党では1.5%程度投票率を上昇させた。生活者ネットワークと日本共産党の後退は心配。
- 立憲民主党は、追い風ない中、手堅い選挙。地域に党名が浸透、高い政党支持を勝ち得ているのではないか?
杉並区議選挙の経験から言えるのは、党の旗を立ててしっかり地方選挙をたたかっていくことが大切だ、ということではないでしょうか?今回の統一地方選挙、都内の首長選挙でもこれまでの自公との相乗りを離脱し、独自候補を擁立する自治体が多くありました。
党の綱領に則り、国政で取り組んでいる姿勢と連動させていくことが大切だと思います。今回当選した立憲民主党の議員達も、西荻窪の再開発反対の運動に加わり、国政での党の姿勢が地方でも貫かれるということを明確にしました。
投票率を見るともっと伸びしろがあると思います。昨年の参院選の投票率は53.18%でした。まだ、10%近く差があります。この中には、国政選挙では野党に投票するが、地方選挙では棄権してしまう人がいるのではないでしょうか。国政との連携、イシューとの連携を強めていくことが大事だと思います。